もう絶対にあり得ないと思っていた時間を過ごせました。
されみあにとってもうあり得ないはずの時間でした。
あの人はそんな時間を私に残してくれました。
あの人は遠くに行ってしまったけれど、あの人がいなくならなければ訪れなかった出会いでした。
お母さんにいっぱい話を聞きました。
いっぱい写真や想い出を見せてもらいました。
こんなことをしてしまって、あなたの言葉を守れませんでした。
ごめんなさい。

守れなかったことを素直に謝ります。

あなたがきっと生きていた場所をいくつか回りました。
あなたがきっと話したであろう人と何人かしゃべりました。
あなたがきっと生活したであろう場所で過ごしました。
けれども、あなたはいませんでした。
居るはずの場所だったのに。
だけれど、そこにあなたが居たとすれば、私は居ないはずでした。
二人が同時に存在することの出来ない場所でした。

虫をじっと見つめ…。
川の流れにたたずんで…。
雲の流れを見て…。
おじいちゃんとおばあちゃんのお菓子作りの仕事を端から見つめ…。
あなたはどんな風に過ごしたのかなと考えました。

けれども、あなたとの時間や言葉は少なかったから、私には考えつきませんでした。
またこの場所で考えに来てもいいですか？。
この場所に、また。

こことあなたの居る場所は、こんな橋のように隣り合わせなような気がしました。